テレビや新聞などで大きな話題となった「老後資金2000万円」。
「2000万円」という言葉だけが独り歩きして、不安をあおってしまっているように感じてしまいます…。誰もが2000万円必要というわけではなく、老後の必要資金の金額は、退職後は何をしたいのかなどプランをたてながら算出してみないと、どのくらい必要なのかというのはわかりません。
今回は、もらえるお金・使うお金・準備するお金について洗い出していきたいと思います。
目次
1.「もらえるお金」って何がある?
老後にいくら必要なのかを考える前に、まず、老後の「もらえるお金」として、どんなものがいくらもらえるのかを出してみましょう。
老後に「もらえるお金」は、国からもらえるもの、会社からもらえるもの、自分で準備する自助努力のものの3つがあります。
国から:基礎年金、厚生年金
基礎年金は、国民年金に加入している人がもらえる年金。20歳から60歳まで全期間保険料を納めた場合、781,692円(月額65,141円)が支給されます。
※令和2年4月分からの年金額です。支給される年金は毎年変わります。
厚生年金は、会社員や公務員が加入している年金で、現役時代の月収や勤務年数などによって異なります。
厚生年金受取額=平均月収×国民年金法で定める乗率×加入期間
平均支給額は、男性:月額174,535円、女性:月額108,776円、全体:月額144,903円
※厚生労働省の「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より。
※男性・女性の支給額は65歳以上の受給権者のデータ。上記金額には基礎年金部分が含まれます。
会社から:退職金制度(DCなど)
会社の退職金制度はどのようになっているのか確認してみましょう。
自助努力部分から:各種積立(個人年金保険、変額保険、財形貯蓄など)
自分が老後のために準備しているものを確認してみましょう。個人年金保険や変額年金、会社で財形年金などを行っている場合には、その受取額を確認してみましょう。
2.老後資金は2000万円必要?
自分が老後にもらえるお金を確認し、おおよその金額が分かったら、今度は「使うお金」を確認してみましょう。
生活費
現在の生活費の7割を目安に、退職後~平均寿命まで計算してみましょう。
(現在の生活費×0.7)×12ヶ月×(女性平均寿命87歳-60歳)
(参考)生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成28年度)」によると、夫婦二人の老後生活に、最低限必要だと思う月額は、平均22万円。ゆとりある老後生活費は平均で34.9万円と言われています。
生活費以外にも退職後以降旅行に行きたい、自動車を購入したいなど希望がある場合には、生活費にプラスして必要になってきます。
準備するお金
「もらえるお金(目次1の部分)」-「使うお金(目次2で試算した生活費など)」=「準備するお金」です。
「準備するお金」が分かり、老後に向けた貯蓄額の目標が決まったら、今からだと、毎月いくら貯蓄していく必要があるのか具体的に貯蓄額を出し、目標額に向けて準備を開始しましょう。今から準備を始めれば老後までたっぷりと時間があるので、iDeCoやつみたてNISAなどで運用を取り入れ、時間とお金の力を味方につけ、効率よく準備していくことがおススメです。
まとめ
今回で老後シリーズはおしまいです。4回にわたる老後シリーズ、いかがでしたか?
老後の必要資金の出し方や老後資金の準備方法など、人それぞれ方法は違い迷ってしまうこともあると思います。そんな時は専門家である私たちに頼ってください。LINE@から気軽にご連絡ください。いつでもサポートします。お任せください。
✍ファイナンシャルプランナー 平野
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