火災保険で失敗しないための選び方

前回は、来年秋に値上がり予定の火災保険に対して、今からできる対策をお届けしました。

今回は、火災保険で失敗しないための選び方として、基本的な考え方や、押さえておきたいポイントをお伝えしたいと思います。建物の場所や構造だけでなく、置かれている環境によっても火災保険の選び方は変わります。

合理的で無駄のない選び方を知って、安心できる備えを一緒に考えていきましょう。

1.国や会社のサポートをチェックしよう!

火災保険選びで失敗しないために、まず忘れてはいけないのが、もしもの時に「国からの援助はあるのか?」「勤務先からの援助はあるのか?」という考え方です。国からの援助(公助)と、勤務先らの援助(共助)を理解してから、足りない補償や必要な補償を備えることができれば(自助)、合理的で無駄のない備えを準備することが可能です。では、具体的にどのようなサポートが存在しているのでしょうか。

国のサポート(公助)は?

大きな自然災害で住まいに損害があった時に、国がサポートしてくれる制度は、何と数十種類以上あります。代表的なものとして、「災害復興住宅融資制度」があります。住まいを建て替えたいと思った時に、原則1,650万円の融資が受けられる制度です。あくまで融資ですが、返済期間は最長35年間、固定金利で設定可能です(出所:内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」)

二重ローンを回避しよう!

また、震災の影響で債務の返済が困難となった人の債務を免除するための制度もあります。別名「被災ローン減免制度」と呼ばれ、簡単に言うと「二重ローン」を回避するための制度です(正式名称「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」)。返済ができなくなるほどの借金による「自己破産」と違い、被災された方を救済するための制度なので、自動車ローンの返済や事業資金の借り入れが難しくなった場合も活用できます。

(参照 政府広報オンラインhttps://www.govonline.go.jp/useful/article/201309/1.html

勤務先のサポートは(共助)は?

次に勤務先のサポートを確認してみましょう。毎月の給与天引きで「〇〇共済費」というような項目はありませんか?月々数百円くらいで加入できるものなので、加入したことすら忘れがちですが、会社によっては、災害の時に金銭的なサポートをしてくれる制度があります。補償内容は会社によって異なりますが、従業員が多ければ多いほど安く大きな補償が約束されているケースが多いので、気になる人は、一度、勤め先の福利厚生をチェックしてみましょう。

2.もしもの時に安心できる備えのチェックポイントは?

以上を踏まえて、安心できる備えを準備するにはどうしたら良いのでしょうか。国や共済会からのサポートはあるものの、やはり大きな補償を約束してくれるのは、火災保険と地震保険であることには違いありません。ご自身とご家族にとって必要だと思う補償は、自助努力で備えましょう。そこで、火災保険選びの時に注意すべきポイントをまとめてみました。

 川や海の近くに住んでいる。あるいは、山の近くに住んでいる。

➡「水災」の補償を備えましょう。

例えば、川の近くに住んでいる人が、大雨による洪水で床上浸水し、建物や家財に損害を受けた場合に補償されます。また、山の近くに住んでいる人が、大雨による「土砂崩れ」で床上浸水した場合も補償されます。逆に、高層マンションに住んでいる人で、床上浸水の心配がないという人は、「水災」の補償を外し、他の補償を手厚くするという選び方があります。

とにかく地震が心配

➡「地震保険」に加入しましょう。

地震保険は国が母体になっているので、どの保険会社で契約しても、補償内容も保険料も一律です。例えば、地震が原因で建物や家財が損壊した場合に補償されます。注意したいのが、地震が原因で火災が起こった場合は、地震保険に加入していないと守ってもらえないということ。火災保険では補償されません。そういったケースが心配な人は、必ず加入しておきましょう。

被災した時に早く元の暮らしに戻したい

 保険金額が「再調達価格」(新価)になっているか確認しましょう。

「再調達価格」(新価)とは、例えば、火災などで建物や家財が全焼した場合に、もう一度同じ価値の建物を建てたり、購入できる金額を言います。家財であれば、同じ物を買い直せる金額を言います。保険料(掛け金)に目が行きがちですが、万一の時に、早く元通りの生活に戻すために必要な「補償額」に注目しましょう。保険証券には、「保険金額」という名目で記載されています。火災保険に加入中の方は、一度証券を確認してみて、いざという時に役に立つ金額になっているかチェックしてみましょう。

まとめ

 火災保険選びは、一見すると複雑で面倒なものですが、「どんな時に」「何を」「いくらまで」守ってもらいたかをシンプルに考えると、分かりやすいものです。

ここまでの内容を参考に、加入中の保険を再点検してみてはいかがでしょうか。

尚、今回は、民間の保険会社の内容を中心にお伝えしましたが、JA共済や全労災などは、独自の規定に基づいた商品内容になりますので、ご注意ください。火災保険は値上がりしても、すぐには手放せないもの。前回の記事も参考にしていただき、改定前に賢く備えておきましょう!