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【2025年4月改正】雇用保険の加入者必見!失業保険の給付制限が緩和

自己都合で退職した場合、受給できるまで時間がかかった失業給付は以前より早く支援を受けられるようになったのです。
どんな点が変更になったのか、改正点を見ていきましょう。


目次
パートだから「失業保険はもらえない」は勘違い!
扶養内でも失業給付(基本手当)を受け取れる
「扶養に入っているから失業保険はもらえない」と思っている方も少なくないようですが、扶養内で働いている場合であっても、雇用保険に加入していれば失業給付(基本手当)を受け取ることができます。
基本手当の受給資格の確認
- 雇用保険に加入している
- 受給条件に該当している
2028年10月1日より雇用保険の加入条件が改正され、週所定労働時間が10時間以上(改正前は、20時間以上)の場合、パートやアルバイトなど短時間勤務の方でも雇用保険へ加入できるようになります。

基本手当の受給条件
- 退職前の2年間に通算12ヶ月以上雇用保険に加入していたこと
※自己都合退職の場合 - すぐに就職できる健康状態で、就職の意思があること
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
失業給付はどう改正された?
仕事を辞めたとき生活を支える「失業給付」
しかし、今回の改正でその自己都合で退職した場合の給付制限が緩和されるのです。
詳しく見てみましょう!

改正ポイント①給付制限期間の短縮(自己都合退職者向け)
- 改正前)7日間の待機期間終了後、原則2ヶ月の給付制限あり
- 改正後)7日間の待機期間終了後、給付制限が1ヶ月に短縮
※過去の自己都合退職が多い場合(5年以内に3回を超える)は、給付制限が3ヶ月のまま変更はありません。

改正ポイント②教育訓練等の受講で給付制限が解除
- 改正前)ハローワークの公共職業訓練を受けた場合、給付制限が解除
- 改正後)自ら教育訓練等(教育訓練給付制度の対象講座など)を離職日前1年以内または離職後に受講した場合、給付制限が解除
職業訓練や資格取得のための教育訓練を受講する場合、給付制限が解除され、待機期間後すぐに失業給付を受け取れるようになりました。
2025年10月1日から「教育訓練休暇給付金」の創設
さらに、2025年10月1日より「教育訓練休暇給付金」が創設されます。
教育訓練を受けるために30日以上の無給の休暇を自発的に取得した場合、教育訓練中は失業給付と同じ額が受給できるようになります。
失業給付を受給するための手続き方法
雇用保険説明会に出席すること!
まずはどうしたらいいですか?

初回の雇用保険説明会は出席が必須ですよ!

- 1、退職時に会社から「雇用保険被保険者離職票」を受け取る
マイナポータルを通じて受け取ることも可能になりました!事業所が電子申請により雇用保険の離職手続きを行うことが条件です。
【離職票に書かれている主な内容】
・退職者の個人情報(氏名・住所・生年月日・雇用保険被保険者番号)
・離職日、離職理由
・雇用期間や賃金情報
・勤務先の情報

- 2、ハローワークで求職申し込みをする
- 3、初回の雇用保険説明会に参加する
- 4、認定日にハローワークに行き、失業の状態を報告する
基本手当はどれくらい受け取れるの?
基本手当の受給額は、「基本手当日額×給付日数」
基本手当日額とは?
離職日直前6ヶ月に支給された賃金の総額の合計を180で割って算出した金額のおよそ50~80%です。
給付日数は、離職した理由や雇用保険の被保険者期間によって違うので、確認してください。

まとめ
今回の改正は自己都合退職者にとって大きな負担だった給付制限期間が短縮されたおかげで、失業中の生活設計が立てやすくなります。
転職やキャリアチェンジを考えている方は、改正点を踏まえておきましょう!

専門家監修 堀江 信弘
株式会社エープロジェクト 代表取締役社長、ファイナンシャルプランナー。
25年間の豊富な専門知識と幅広い実務経験を活かし、イオングループ、パナソニックグループ等のマネー研修・ライフプラン個別相談で10,000人以上の従業員のサポート業務に携わる。ライフプランのエキスパートとして保険・金融商品の販売実績の経験を活かしたアドバイスには定評あり。現在は、保険・金融商品を販売しない中立な立場から幅広く資産の管理、運用相談サービスを提供。 モットーは「一人ひとりの人生に残る仕事をする!」
- この記事の監修者
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- 伊藤 佑梨
- ファイナンシャルプランナー/DCプランナー/証券外務員Ⅱ種/ライフプランアナリスト
- 大手電機メーカーをはじめ、さまざまな企業の共済会会員の個別ライフプラン相談の経験を積む。世代別、ライフスタイル別によく陥りがちなマネープランの分析と的確なアドバイスには定評あり。
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- 木村 美月
- 証券外務員Ⅰ種/ライフプランアナリスト
- 証券会社で資産運用アドバイス業を経て保険業界へ。お金とお寿司が好きで「お金は合理的に正しく使う」をモットーにしています。経済的な流行・トレンドも分かりやすく解説していきます。