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育児休業がもっと取りやすく!出生後休業支援給付金を解説

「夫婦で育休を取りたいけど、経済的に不安がある…」
そんな声に応えるために2025年度から「出生後休業支援給付金」という新しい制度がスタートしました。
目的は男性の育休取得を後押しし、金銭面の負担を減らすための支援となっています。詳しく解説していきます!


目次
「出生後休業支援給付金」ってどんな制度?
「出生後休業支援給付金」の支給条件
子どもが生まれた後、夫婦ともに14日以上の育児休業を取得した場合、「出生時育児休業給付金」や「育児休業給付金」とあわせて最大28日分の給付金がもらえます。
ただし、この給付金だけを単独でもらうことはできませんので、注意してください!
支給される条件
- 夫婦ともに通算で14日以上の育児休業を取得すること
父親は子どもの出生後8週間以内
母親は産後休業終了後8週間以内
※自営業やフリーランス、無職の方は免除される場合があります。
支給されないケースも!
- 休業中に休業前賃金の80%以上が支払われている場合
- 雇用保険の被保険者資格がなくなった場合
- 対象期間外に育休を取得した場合など
支給額が分かる計算方法
支給額の計算例
支給額の計算方法:「休業開始時賃金日額」×「休業日数(最大28日)」×13%
例えば、月収30万円の方が、30日間育休を取った場合
休業開始時賃金日額=30万×6ヶ月÷180日=1万円
支給額=1万円×28日×13%=36,400円となります。
これに、育児休業給付金(67%支給の場合)が加わり合計で237,400円(月収の約8割)を受け取れます。
給付金はいずれも非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、実質的にほぼ満額の手取りになるイメージです。
他の給付金と上手に組み合わせましょう!
母親・父親で違う給付金制度
出生後休業支援給付金は、育休中の経済的負担を減らすための制度です。
出産や育児に関する他の給付金と組み合わせて使うこともできます。
- <母親の場合>
出産時:出産育児一時金、出産手当金
育休開始:育児休業給付金(最初の180日間は67%、それ以降50%)+出生後休業給付金(最大28日間)
職場復帰後:育児時短就業給付金(子どもが2歳になるまで支給) - <父親の場合>
出産後(産後パパ育休を取得した場合):出生時育児休業給付金+出生後休業給付金(最大28日間)+育児休業給付金(最初の180日間は67%、それ以降50%)

育児時短就業給付金について
短時間勤務にすると復帰前より収入が減ることも
職場復帰後に時短勤務を選ぶと、復帰前より収入が減ることがあります。
子どもが2歳未満で時短勤務をしている方には、減った賃金の10%が支給される制度も新設されました。
時短勤務をしながら家計への影響を抑えられるので、ぜひ、活用を検討してください。
まとめ
出生後休業支援給付金は、夫婦で育休を取る家庭を支援するために新しく設けられた給付金です。
両親がそれぞれ14日以上育児休業を取得すると、最大28日分の給付金(賃金の13%)を受け取ることができます。
この給付金は非課税で、社会保険料も免除されるため、手取りはほぼ満額に近い水準になります。
また、「出産育児一時金」や「出産手当金」「育児休業給付金」など、他の制度と併用することも可能です。
さらに、職場復帰後に時短勤務を行う場合は、収入減を補う「育児時短就業給付金」でサポートを受けられます。
育児休業を安心して取得し、家族で支え合える環境づくりに役立ててください。

専門家監修 堀江 信弘
株式会社エープロジェクト 代表取締役社長、ファイナンシャルプランナー。
25年間の豊富な専門知識と幅広い実務経験を活かし、イオングループ、パナソニックグループ等のマネー研修・ライフプラン個別相談で10,000人以上の従業員のサポート業務に携わる。ライフプランのエキスパートとして保険・金融商品の販売実績の経験を活かしたアドバイスには定評あり。現在は、保険・金融商品を販売しない中立な立場から幅広く資産の管理、運用相談サービスを提供。 モットーは「一人ひとりの人生に残る仕事をする!」
- この記事の監修者
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- 伊藤 佑梨
- ファイナンシャルプランナー/DCプランナー/証券外務員Ⅱ種/ライフプランアナリスト
- 大手電機メーカーをはじめ、さまざまな企業の共済会会員の個別ライフプラン相談の経験を積む。世代別、ライフスタイル別によく陥りがちなマネープランの分析と的確なアドバイスには定評あり。
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- 木村 美月
- 証券外務員Ⅰ種/ライフプランアナリスト
- 証券会社で資産運用アドバイス業を経て保険業界へ。お金とお寿司が好きで「お金は合理的に正しく使う」をモットーにしています。経済的な流行・トレンドも分かりやすく解説していきます。
